2020.10.30

#002 マリアージュ

料理とワインの組み合わせをフランス語で「マリアージュ」といい『結婚』という意味です。なんとも洒落た表現ですよね。「料理とワイン」を語るうえで「料理とワインの美味しい組み合わせ」を意味します。フランスなど欧米では、夫婦関係も料理も、あくまでも関係は対等で料理とワインは両方が主役という考え方なのです。お互いがお互いを助け合い、高めあうことで更なるワインの魅力を引き出すわけで、この「マリアージュ」にはいくつかの覚えておきたい法則があります。

1)同じベクトルで合わせる
同じ系統の香りや味わいを合わせる。例えば、スパイシーな料理にスパイシーなワイン、酸味のある料理に酸味の乗ったワイン、ハーブを使った料理にハーブの香りのあるワイン、スイーツには甘口ワイン、など。

2)反対のベクトルで合わせる
逆の味わいを合わせる。例えば、塩味のある料理に甘口ワイン、辛いものに甘口ワイン。濃厚な風味のものに爽やかな酸味の豊かなワイン、など逆の味を持ってくることで互いの味を引き立て合うことができます。日本でも、あんこに塩、スイカに塩も同じ原理といえます。

3)重さを合わせる
「重さ」とは味の濃さとボディーの両方を含みます。例えば、軽めのさっぱりとした白ワインは、こってりとした鶏肉のクリームシチューには負けてしまうので、さっぱりと白身魚のカルパッチョのほうが合いますね。フルボディの濃厚な赤ワインは、豚肉のグリルよりは、牛頬肉の赤ワイン煮込みのほうが相性が良いですね。

4)国・地方で合わせる
ヨーロッパの各国では、昔からそれぞれの地域の郷土料理と相性の良いワインがあります。日本でも各地の風土に根差した「日本ワイン」は、繊細な和食によく合います。地産地消の観点からも、和食には日本ワインがいいです。料理とワインのマリアージュは、難しく考えずに何が合うかというよりも、どう合わせるかと考えた方が楽しいと思います。「美味しい」という感覚は、ひとりひとり異なるのでマリアージュに正解はないですね。自分の好きなように楽しみたいですね。

さて、黒船亭の看板メニューはビーフシチューなのですが、ビーフシチューこそが洋食の王道と言えます。我が国の開国以来、明治の新しい時代に近代化の波は、食の世界において西洋料理と和食を融合し日本人の口に合う、つまり白飯をうまく食べる為のおかずとして和洋折衷の新しい料理“洋食”が生み出されました。大正時代には、カレーライス、コロッケ、カツレツが三大洋食として人気となりました。何よりビーフシチューには濃厚な赤ワインを合わせたいですね。

黒船亭のビーフシチュー用のデミグラスソースは、1週間以上手間暇かけて煮込み、裏ごしの作業を繰り返します。滑らかで舌触りのいいソースが相まって後を引く旨さ。白飯とも良し、何よりワインと合わすのが良いですね。たっぷりのトマトピューレを使ったデミグラスソースには、果実味の凝縮した濃厚な赤ワインが抜群のマリアージュです。例えば、ジンファンデルのような熟した果実やスパイスの香り、濃い色調でタンニンが少なく、酸味豊かで果実味たっぷりのワインでお試しあれ。

デミグラスソースを使った黒船亭のお料理はこちら
ビーフシチュー