2020.11.6

#003 赤ワインの魅力

赤ワインほど魅力なお酒はないのではないでしょうか。
日常に楽しむタイプから高級ワインまで。
色合いもバイオレット、ルビー、オレンジ、レンガ色など多彩。
そして何より赤ワインの香りは楽しみを倍増します。
赤ワインの楽しみは、香りが4割、味5割、余韻が1割。
グラスに注がれた瞬間のワインそのものの香りを「アロマ」といい原料ぶどうそのものの香り。
次にグラスを軽く回して空気と触れさせてもう一度香りをかぐ。
この香りは、「ブーケ」といいワインの熟成によって生まれた香りです。
赤ワインの香りは、すぐり、木いちご、桑の実、すみれ、ばら、ピーマン、カカオ、シナモンなど実に多彩な表現が当てはまります。この複雑性が魅力なのです。
赤ワインの味わいは、酸味はもちろん渋味が強いため単体で飲んでもかなり存在感が強いですね。牛肉と組み合わせると旨味が凝縮され、さらに肉独特の臭みを取ってくれるという点を考慮すると、食材単体に個性があればあるほど赤ワインとの組み合わせの可能性は無限に広がると言えます。

赤ワインは、黒ぶどうからつくられます。
アルコール発酵と同時に渋みや色素を抽出するのが特徴です。
基本的には、赤ワインは黒ぶどうから、白ワインは白ぶどうからつくられます。白ワインはぶどうの皮や種を除いて絞った果汁だけでつくりますが、赤ワインは皮や種と一緒にして果汁を絞り取り、皮や種のエキスをぶどうの果汁に染み出させてつくります。それが赤ワイン独特の色調と渋みを醸し出します。つまり白ワインと赤ワインの違いは、その渋みの元のタンニンが酸味、甘味とのバランスに加わること。このタンニンまたはポリフェノール類の成分は血中のコレステロールの酸化を防いで動脈硬化になりづらいと言われています。

赤ワインのタイプはぶどうの品種によって味が変わります。
ワイン用ぶどう品種は、生食用のぶどう品種とも系統が異なり品種を数えたらきりがないほどあります。何万種類とあるぶどう品種の中から、まずは赤ワインぶどう品種2種類ご紹介します。赤ワインは「ボルドー系」と「ブルゴーニュ系」の2種類に分類できます。どちらもフランスの地域名で、ボルドー系は、ワインの色調が濃くぶどうの渋みをたっぷりと楽しむことができます。ブルゴーニュ系は、ボルドー系よりもワインの色調が薄く、ぶどうそのものの主張が少ない分、毎年のぶどうの出来によって味が変わる繊細なワインです。

ボルドー系カベルネ・ソーヴィニヨンは、品種の王様ともいわれる高級品種で長い期間をかけてじっくりと育てる品種で、熟成期間によってワインの味わいが大きく変わります。熟成期間が短いうちは、鮮やかなルビー色の果実から、タンニンによる苦みや酸味のバランスを楽しむことができます。それを長期熟成することによってまろやかな旨みが増した味のワインになります。
カベルネ・ソーヴィニヨンは熟成期間によって味わいが違うため、どの時点でもそのタイミングの美味しいワインを楽しむことができます。まずワインを選ぶときに迷った時はどこの国のものでも「カベルネ・ソーヴィニヨン」の名前のワインを選べば間違いありません。

ブルゴーニュ系ピノ・ノワールは明るい色合いとラズベリーなどのベリー類のような華やかな香りが特徴の赤ワイン。繊細で滑らかな味わいを生み出すピノ・ノワールは数あるぶどう品種の中でもまさに「エレガント」という言葉がぴったりな品種です。
また、ピノ・ノワールはぶどうの出来によって味が全く変わるので、作っている年によって違う味を楽しむことができるのも大きな特徴のひとつです。

まずは、カベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールをお試しあれ。